自分の今を正直に今コノカタチ

顔デ笑ッテ心デ泣イテ手足に膿疱出来ちゃった!

寿ぐ

従弟が亡くなったとの連絡を受けたのは、彼を見舞った2日後の事だった。
酸素吸入を受けて痛み止の薬を打ち、もう会話は出来なくなっていた。
顔色は土気色…面影は無く、言葉を失った。
痛みを訴え、診断されて7ヶ月…。
知らされなかった闘病生活。
みるみる痩せ細り、弱っていく姿を見せたくなかったのだろうか。
今年に入ってから進行が早く、緩和病棟に移ってから間もなくの事だった。
家族も覚悟はしていたものの、早すぎたと…。

通夜席でお坊様がお話をしてくださった。ご自身も弟様を、同じ病で同年齢で亡くされたお話をされた。
「若い方が亡くなられるのは辛い、ましてご両親より先に亡くなられるのは尚更つらい。人はこれも寿命なのかと言うと思うが、寿命とはどういうことか…。
寿命とは生まれてから亡くなるまでの間の時間、≪ことほぐいのち≫である」と。

従弟の優しい人柄にも触れ、生前色々な事が有ったと思うが、発病後は痛みと闘いながら家族を思い、頑張った彼を誉めてあげてほしいとも話された。
桜が満開の春うららかな季節に彼は旅立っていった。

不謹慎ではあるが、私も旅立つその日は春がいいと思っている。
もし葬儀式があるならば、参列してくださる方に、暑くなく寒くなく、そして桜の花びらが散る中に去って行きたい。
桜を見るたびに思い出させてしまうのは、少し欲ばりだと思うけど。
華やかで儚い、桜の花の例えであるが、今年の桜はもの悲しい、命の尊さを思う花見になりそうです。